『星一つ、中国兵になった戦友』改訂版
著者 日和佐 栄 ひわさ さかえ
体裁 12.5×18cm 123ページ
2011年8月15日 第3刷
静岡市葵区瀬名中央にお住まいの日和佐栄さん(86歳・ペンネーム)が、自費出版された本です。現在(2012年)残部はないそうですが、増し刷りも可能とのことです。読んでみたいという方は、お問合せください。
以下に、「あとがき」を引用させて頂きました。
あとがき
これはもともと退職後暇つぶしにワープロで和文の打ち方の練習でもと思い、私の戦争体験を打った物です。これを打ち終えた後で、これを出版するつもりは全くなかったのですが、戦後別れてその後一度も逢ったことのない戦友達のことを思い出し、彼らに再会したい切望に駆られ、その折彼等に読んでもらおうと思いこれを出版しました。しかし残念ながら戦友達を探しましたが、その行方知れず、再会の望みは叶えられませんでした。そんな訳で初版は一般に店頭販売されることになりました。しかし一般の人に読んでいただくには、初版は質量共に余りにも乏しく、また多くの不備がありましたので、その後これに加筆、また訂正をし、この度ここに改訂版を出さして頂きました。
私は戦後外国語を習得し、長年英語教師を勤めたため、日本語に対する素養は戦前戦中、小学中学で受けた学識しかなく、日本語で書くことに困難を極めました。そんな訳でまことに稚拙な文章でしか書くことができませんでしたが、ただこれをこの戦争で犠牲となられた多くの中国人や日韓両国の戦友に対し謝罪と鎮魂の思いをこめて書きました。
最後に、ここには読者にとって残酷と思われるシーンの記述が多くあったと思いますが、これは私達の部隊が他の部隊にまして残酷なことをした訳ではありません。むしろこれが中国における日本軍の日常的行動パタンだったと言っても過言ではありません。我が部隊にも一部行き過ぎた行動に走る者もいましたが、全体としては「忠良なる」兵士の集団であったと思います。今翻って私が行動を共にした、今は亡き我が秋水部隊を偲ぶ時、哀れと思いこそすれ、反感や恨みの気持ちは全くと言って有りません。戦争の罪は戦争を戦う軍隊に在るのではなく、彼等を戦わせた国に在ります。
【注】登場人物名は二、三を除きすべて仮名といたしました。
平成二十二年七月七日 著者